[2000.04.17]
  principle of wired


 ▼インタビュー:William Gibson(INTERNET CHANNEL)
  http://www.zdnet.co.jp/internet/yilife/0004/gibson/index.html


 ワイヤードは,リアルワールドの植民地となるべき場所ではない。その原理が有効に活用されれば,リアルはワイヤードを制御できない。いや,それどころか,ワイヤードの上位性が,より明確になる,だけだ。

 サイバースペース(電脳空間)という言葉を考案したのは,SF作家のウイリアム・ギブソンだ。彼は1984年の「ニューロマンサー」の中で,世界のコンピュータデータの集合体という概念をつくり上げた。その概念は「Xファイル」「マトリックス」「伊達杏子」などに反映されている。その彼の言葉から。「ネットの力は,デジタル化できるものならすべてを配信できる能力にある」「世界で最も魅力的なのは,コントロールがきかないこと。ネットワークの成長は,誰かの管理下にはない」「Webカムには,上下関係などない。この技術が持っている可能性は,双方向であり,非階層的だということにある」。

 ワイヤードが揺れているように感じる。それは,あまりにも多くのリアルを飲み込みすぎた結果でもあるのだが,さらに,リアルの法律,リアルの倫理,リアルの感情,リアルの情念までもが入り込んできた。国家や主義主張,信仰や観念といったカテゴリーの存在しない世界に,それらが網を掛ける。だが,いつか,偏在するワイヤードの原理は,それらを上回るだろう,と私は確信している。

 その原理とは何か? (差別や階層を永遠にぬぐい去れないリアル)ワイヤードは,なんの差別も,階層もないところから生まれている。(物理的制約を取り去る最大の武器が,テレビでしかないリアル)ワイヤードは,すべてのメディアを飲み込み,人の深層心理の絆をも繋げ得る。(入ってくる情報は,すべてどこかでトレースされているリアル)ワイヤードは,グヌーテラ(過去記事)のように完全にコントロールを拒絶し,個々人の形成を助ける。…WGの言葉の端々に,そんなことを感じながら,偏在するその原理を見据えたい。


return to index

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!